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HIROAKI MARUYAMA

Doctor of Dental Surgery

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専門分野-「歯周病と糖尿病」

歯周病と糖尿病の関連性

平成14年現在糖尿病にかかっている人は740万人おり糖尿病予備軍も含めると1620万人とされています。 糖尿病には網膜症、神経障害、腎症、大血管障害、細小血管障害という特有の合併症があり近年歯周病はその一つとして捉えられるようになってきました。 一般に糖尿病に罹患しているものは免疫力が弱く細菌やウイルスに対する抵抗性が健常者に比べ低く感染する機会は多くなります。 歯周病はバクテリアなどの細菌感染から起こり歯肉の炎症、顎の骨の吸収が起こり進行すると歯を失う事になります。糖尿病に罹患している人は体の抵抗性が低い為歯周病菌に対する抵抗性も弱く歯周病にかかってしまうと短期間で重度の状態になる事も珍しくはありません。

また近年歯周治療により歯周組織の改善があると糖化ヘモグロビン等の数値が改善する場合があることから歯周病が糖尿病に関係している事が分かってきました。
糖尿病の改善には歯周治療により歯周病を改善しなくてはならず、また糖尿病を予防する為に歯周病を改善する必要があります。
最近の研究で歯周病は糖尿病だけではなく心臓病、動脈硬化症、腎症、肝臓病、脳血管障害、早産等の原因の一つである事が分かってきました。

表1
正常域糖尿病域
空腹時血糖値
75gOGTT2時間値
<{110(6.1)
<140(7.8)
≧126(7.0)
≧200(11.1)
75gOGTTの判定両者を満たす者を正常型とするいずれかを満たす者を糖尿病型とする
正常型にも糖尿病型にも属さないものを境界型とする

静脈血漿値、r/dl( )内mmol/L
随時血糖値≧200r/dL の場合も糖尿病型とみなす
正常型であっても1時間値が180r/dL(10.0mmol/L)以上の場合は180r/dL未満のもに比べて糖尿病に悪化する危険性が高いので境界型に準じた取り扱い(経過観察など)が必要である
(日本糖尿病学会:糖尿病診断基準委員会報告1999)

血糖コントロールの指導と評価

表2
指導不十分不良不可
HbAic(%)5.8未満5.8−6.5未満6.5−7.0未満7.0−8.0未満8.0以上
FPG80−100未満110−130未満130−160未満160以上
2h-PG80−140未満140−180未満180−220未満220以上

HbAic:糖化ヘモグロビン FPG:早期空腹時血糖値(r/dL) 2h-PG:食後2時間血糖値(r/dL)

糖尿病患者の病態として好中球機能低下、微小血管障害、コラーゲン代謝障害により易感染性や創傷治癒不全、口渇、味覚障害が起こりやすくなる為歯周病を発症、進行させてしまう。
逆に歯周病が糖尿病に関係している理由として歯周治療により歯周病の改善の結果糖化ヘモグロビン(HbAic)等の数値が減少する場合があることです。

【糖尿病の原因】

  • ・ストレス
  • ・太りすぎ
  • ・高血圧
  • ・運動不足
  • ・巨大児の出産
  • ・妊娠中の耐糖能異常

【症状】

  • ・喉が渇きやすい
  • ・尿量が多い
  • ・ひどく疲れる
  • ・水を沢山飲む
  • ・異常に食欲がある
  • ・体重が減る

【種類】

1型:膵臓でインスリンがほとんど作られない為に起こります。インスリン注射の薬物療法が必要です。
・若年者が多い
・痩せている
・症状が急に表れる
2型:膵臓で必要量のインスリンが作られない為に起こるタイプとインスリンが適切に働かないタイプがあります。
食事療法と運動療法を行うが必要に応じて薬物療法も併用します。日本では全糖尿病患者の97%が2型糖尿病です。
・成人発症が多い
・肥満体に多い
・初期には自覚症状がない

【合併症】

  • ・脳:脳卒中(特に脳梗塞)
  • ・眼:網膜症(眼底出血など)、白内障
  • ・耳:突発性難聴
  • ・顔:顔面神経麻痺
  • ・口:歯周病
  • ・心臓:心筋梗塞、狭心症、不整脈、立ちくらみ
  • ・皮膚:皮膚の感染、発汗異常、皮膚の潰瘍、壊疽
  • ・神経:神経痛
  • ・腎臓:腎症(蛋白尿など)腎盂炎
  • ・骨:骨減少症
  • ・泌尿器:排尿障害、膀胱炎、インポテンス、便秘、下痢
  • ・筋肉:筋萎縮
  • ・下肢:下肢の閉塞性 動脈硬化 こむら返り
  • ・妊婦:胎児や妊婦に影響

糖尿病患者の歯周治療指針

糖尿病患者が歯周病を併発している状態では、歯科治療の観点からは以下のような治療指針をもとに対応します。

【糖尿病の病状把握(表1表2)】

・インスリン依存状態と血糖コントロールの状態を治療ごとに確認
・担当医と密に連携し適切な対応をとる

【口腔衛生状態の改善】

・徹底した口腔清掃指導
・予後不良な歯は早く抜歯

■1型糖尿病患者の歯周治療はインスリン使用状況を確認し抗菌療法の併用を行う

■2型糖尿病患者の場合は抗菌療法が有効である

■術後感染予防は術後十分な抗菌薬の投与を行い頻回なメンテナンスを行う


重度糖尿病患者で血糖コントロール(表2)が十分でない場合、易感染性があり通常の処置では菌血症を引き起こす事があり、抗菌薬の前投与と後投与を行うことがあります。

写真(1)は初診時の写真で、右は下顎の前歯を裏側から撮影したものです。
歯の周りに歯垢と歯石が付いて歯肉も腫れた状態です。
これだけでも血糖値の改善は起こり、また全身的にも様々な変化が起こってきます。

歯の周りに歯垢と歯石が付いて歯肉も腫れた状態(右は裏側から撮影)

写真(2)は下顎の前歯の歯周病が改善した状態です。
左は途中の仮歯が入っており、右はそれを取り外した状態です。

歯周病が改善した状態(右は仮歯を取り外した状態)

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